2025年2月21日に発表した、
コンピレーション作品『Letters』について綴ります。
アーティストの諸先輩方と一緒に制作した、
「手紙」をコンセプトにした音楽作品集です。
リリースした今年が終わる前に、
改めて本作品を振り返りたいと思います。
制作のきっかけ

本作品の制作の始まりは、本作の主催であるyk(Hello1103)さんと久々にお話をした際に、
「敬愛するアーティストと一緒に、
一つの作品を大切に創りたい」
というお話になったことから端を発します。
私自身も音楽仲間と一つの作品を創ることに憧れていたため、お互いに親交のあるアーティストをお誘いすることになりました。
それぞれが遠野朝海さん、yumegiwatoneさんにお声がけをして、すぐに快諾のお返事を頂き、参加アーティストが集まりました。
そして、ykさんが4名の音楽性を照らし合わせて、
「丁寧に想いを届ける」=「手紙」「Letters」
というキーワードが浮かび、本作品における明確なコンセプトになりました。

この「手紙」という切り口は大きく、
「大切な誰かに宛てた手紙」「未来・過去からの手紙」「記憶の中の手紙」「別れの手紙」など、様々な着想が思いつく内容でした。
コンセプトが固まると、各人が音源の制作を開始。
それぞれが思い描く「手紙」を音にして表していきます。
数ヶ月の制作期間を経て4名の音楽作品が出揃い、
音源としての完成に近づいていきました。
参加アーティストについて
yk(Hello1103)さん

Website(Hello1103)
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音と映像による電子音楽ユニット「Hello1103」(ハローイチイチゼロサン)のVJ(映像演出) / Vocal担当にして、ソロ名義ではアコースティックギターと唄による抒情的な楽曲を創り奏でます。
ユニットでのアグレッシブなパフォーマンスから、ソロ活動での静謐な音楽性まで、携わるその音楽性の広さから多くのアーティストから尊敬を集める音楽家です。
プロのライブの現場にもVJとして数多く参加をされていて、深い尊敬と信頼を集めている方です。
私から見たykさんの印象は、
「創作の中でこそ生きている実感を得られる方」です。
文字通り自分の人生を賭けて数々の音楽活動を続けていて、私自身深く尊敬する音楽家です。
遠野朝海さん

楽曲配信
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幼い頃から音楽の世界に入り、
2017年頃からインターネット上で楽曲を発表しているアーティストです。
ピアノでの弾き語りを基本としつつ、
打ち込みによる多彩な音作りも得意としています。
遠野さんの音楽活動における特徴は、
その楽曲のクオリティと制作頻度の高さです。
私から見た遠野さんの印象は、
「呼吸をするように、生活の営みとして音楽を創る方」です。
日記を綴るような心持ちで楽曲制作に向き合っているのではと、遠野さんの活動を拝見しながら思います。
ボーカリストとしても著名で、
数多くの作曲家の皆さんとコラボをしています。
個人での制作・コラボでの楽曲を問わず、
いずれも高いクオリティで楽曲を発表し続けています。
yumegiwatoneさん

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プロダクトデザイナー・音楽作家として活動している、草桶開さんのソロプロジェクトです。
「感情にフィットする音楽」という理念に基づき、エレクトロニカ・アンビエント音楽を創る音楽家です。
人の営みに寄り添った暖かな音から、
低音部を効かせた重厚な音まで、
多くの音楽のルーツを感じさせる楽曲が特徴です。
デザイナーとしての多忙なお仕事を続けながら、自らの音楽制作・発信を変わらず続けています。
私から見たyumegiwatoneさんの印象は、
「ホスピタリティに満ちた、アート(音楽)とデザインのプロフェッショナル」です。
私にとってデザイナーとしても大先輩であり、今回の作品『Letters』でのフィジカルデザインも彼の制作によるものです。
作品のコンセプトを具現化した、素敵な作品に仕上がりました。
活動寫眞(かつどうしゃしん)

Website
楽曲配信 | X (Twitter) | Instagram
私自身です。
2018年より個人での音楽活動を開始。
名義の由来は明治・大正時代における「映画」を表す言葉から来ています。
ライブの場では、舞台上で私自身がVJ(映像演出)を務めながらボーカルの表現を行うという、とてもミニマムな形態で活動を続けています。
これからは自身で演奏を行う形態に切り替えたく、コツコツとピアノ・ギターの練習を続けています。
今回の参加アーティストの中で、
音楽の経験年数として私は最も後輩に当たります。
皆さんとご一緒できたことはまさに光栄の至りです。
フィジカルデザインについて

まず音源媒体はカセットテープとして発表することを決めました。
カセットの味わい深い音像で、アナログ =「手紙」を表現できること、「手紙」をプロダクトとして形にするためにも、カセットの媒体にすることが最適であることから決定しました。
そして「手紙」というコンセプトを具現化するに当たり、草桶さん(yumegiwatoneさん)の手により、スリーブそのものを封筒に見立てるという案に行き着きました。

実際に作品を手に取った際に、手紙の封を解くように作品を見せることができる、コンセプトを美しく具現化したデザインになりました。
カセット自体はスケルトンの製品を採用。
作品と音そのものの透明感も表現できております。
※商品にはダウンロードコードを付属しており、スマートフォンでも楽曲をお聴きいただけます。
楽曲について
本作品の楽曲は各人が2曲ずつ制作、
計8曲によるコンピレーション作品になっております。
各人が制作を開始した後、
2025年の年明けに全員の音源が出揃いました。
そこで感銘を受けたのが、それぞれの音楽のルーツも作り方も様々であり、かつ事前に楽曲自体を示し合わせたわけではないのに、
4人全員がしっかりと同じ方向を向いていることでした。
「手紙」という明確なコンセプトを据えたお陰で、それぞれの音楽とルーツの垣根を超えた素敵な作品が完成しました。
リリースイベントについて


『Letters』は2025年2月21日に無事にリリースを迎え、同年の7月21日(海の日)にリリースイベントを開催しました。
場所は本作品のカセット制作を請け持っていただいた、shibasaki modでの開催となりました。
https://shibasakimod.com/
本作品を実際の公演として表現するために、
4人がそれぞれの手法でライブを作り上げる、
色彩豊かなライブイベントになりました。





左より、マスタリングご担当のHello1103 Hitomiさん、活動寫眞、yumegiwatoneさん、yk(Hello1103)さん、遠野朝海さん、shibasaki mod オーナーの中里さん
多くのお客様にご来場いただき、深く感謝申し上げます。
最後に
私が本作品においてできたことは、楽曲を誠心誠意創ることのみですが、少しでも作品のコンセプトに沿えることができたのなら、これほど嬉しいことはありません。
『Letters』は主催であるykさんをはじめ、多くの諸先輩方のお力添えがあって、初めて完成した作品です。
この作品が気になられた方は、ぜひその手にとってご覧になり、そして音を聴いてみてください。
4人の色彩豊かな「手紙」がきっと心に届くと思います。
ここまでお読みいただき、誠に有難うございました。

『Letters』
A面 :
Writing – 遠野朝海 (3:51)
Nondelivery – 遠野朝海 (2:32)
在りし日の私へ – 活動寫眞 (2:26)
新しいあなたへ – 活動寫眞 (4:55)
B面 :
my home town – yk (Hello1103) (4:22)
泡沫 – yk (Hello1103) (2:30)
timeless – yumegiwatone (2:54)
farewell – yumegiwatone (3:33)
Mastering : Katsuhiro Hitomi
Package Design : Kai Kusaoke (OKE Studio)
Special Thanks : shibasaki mod
©2025 GoodDog Records
▼『Letters』特設サイト
https://gooddog-records.com/letters/
▼『Letters』販売ページ
https://hello1103.official.ec/items/98180334
