藤本タツキ原作の映画『ルックバック』
先日、夫婦で鑑賞してきました。
物語にも触れながら、感想を書きたいと思います。
公式サイトに載っている場面までですが、物語の内容にも少し触れるので、宜しければこの日記は映画を鑑賞した後でご覧ください。
あらすじ
小学生の藤野は漫画を書くことを日課としている女の子。
学年新聞に4コマ漫画を連載しています。
着眼点が面白い藤野の漫画はクラスメイトから大好評。
周りから「漫画家になれるよ!」と言われて、まんざらでもない様子。
そんな藤野は担任の先生から、京本という不登校の生徒に漫画を掲載する枠を分けてほしいというお願いを受けます。
しぶしぶ受け入れる藤野でしたが、いざ京本のイラストの掲載が始まると、その高い画力に圧倒されてしまいます。
これを悔しがった藤野は一念発起。
イラストの教則本を買い込んで、漫画の猛特訓を開始します。
どこまでも真摯な物語
ものづくりをする人への敬意で溢れた、宝物のような作品だと思いました。
1時間の上映時間の中で、作り手が経験する心の動きを丁寧に描いています。
それは孤独であり、挫折であり、情熱であり、そして勇気でもあります。
藤野がここまで描き続けることができたのは、「心から羨望していた相手が、自分のことを尊敬してくれていた」という、奇跡のような出来事がきっかけです。
「藤野ちゃんはなんで描いてるの?」という問いの答えは、京本の眩しいほどの笑顔が全てです。
深く心に刺さる作品でした。
haruka nakamuraの音楽について
情熱を込めて描くシーンでは躍動的に、静謐なシーンでは波紋が浮かぶような美しいピアノ曲で、抑揚のある劇伴が印象的でした。
主題歌の「Light song」は、真っ直ぐに駆け抜けた二人のことを、暖かく照らしてくれているようでした。
鑑賞後に深い余韻を残します。
続けること
この映画のキャッチコピーは「描き続ける」
作品の中で藤野の背中が映り、季節だけが移り変わる描写が多く出てきます。
これは創作に限った話ではありません。
「続けること」
これに勝る強さは無いと思っています。
私も作り続けます。